はてなダイアリーの一冊百選

お待たせいたしました。って、待っていたのは多分ごく少数だと思いますが・・・
id:miwamiwa1972 さんから、バトンタッチされて「はてなダイアリーの一冊百選」を書かせていただくことになりました。

本の紹介

で、今回自分が選んだのは、森時彦さんの「ザ・ファシリテータ(isbn:4478360715)」です。
職場の周りで、「ファシリテーション」と呼ばれるグループの力を引き出す技術が注目を集めていて、そんな中 id:kakeda さんに薦めれたのがこの本です。また、mixiでもマイミクな方々が、口々に薦めていましたので、つい買ってしまいました。
読み始めてすぐに思ったのが、「『ザ・ゴール』のパクリじゃん」というのが正直な感想です。さらに、読み進めていくと、「え、某NPOの宣伝?*1」などとちょっとネガティブな印象を受けました。
まぁ、書評ということなので、ざっとですが内容を紹介しておきます。
どこぞやのキャリアウーマンがいまして、まぁこの人の出世物語になっています。ビジネス書でありながら、小説という形をとっているのがまさに「ザ・ゴール」風な感じです。で、この主人公が、ファシリテーションの力をうまく使って、会社の改革をしていくのです。この主人公がいきなり畑違いの研究開発センターのトップに抜擢されます。しかし、その下には年上であるだけではなく、この分野の専門知識を持った海千山千のお偉いさんがごろごろしており、彼らをファシリテーションを使って取りまとめつつ、その下にいる実務者たちの有能な人を集め合宿を開き自分たちで解決策を見つけさせ実行させていき結果を出させる。そして、最終的にはその与えられた使命を全うするというお話です。
読みながら、つい突っ込みたくなる衝動に駆られて仕方がなかったです。いわゆる「突っ込まれビリティ」が高いんですよ。まず、キャリアウーマンである主人公が、ファシリテータではないんです。本のタイトルが「ザ・ファシリテータ」なんですよ。そんじょそこらのファシリテータでなく、「ザ」なファシリテータなので、主人公がファシリテータだと思うじゃないですか。でも違うんです。主人公は「ファシリタティブ・リーダ」ということらしいです。ファシリテーション技術をもったリーダという立場なんです。最初に登場するファシリテータは、人事部に在籍する主人公の同期(男)なんです。こりゃ、恋愛が横軸に絡むのかというと、まぁそんなこともなく、やきもきしてしまうんです。
でも、やっぱこの本いいんですよ。まぁ、よいと思っているからここで紹介しているわけですけどね。小説タイプなので、なんとなく疑似体験した気分になるんです。主人公に感情移入するというか、まぁそんな感じです。そして、ファシリテーションの技術の使い方と、その効果を疑似体験した気になるんです。また、いい感じにファシリテーション技術が分かりやすく整理されてまとまっているので、資料としても使い勝手がよいんです。組織の改革をしたいと思っている人は、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょう。
と、まぁ書評はここまでなんですが、実は自分もこの小説と同じようなことを経験する機会があったんです。会社の若手で集まって、モチベーションアップを狙いとした1泊2日の合宿をしました。自分はファシリテータグループの一員として参加しました。この本を読んだ後に、これまで作ってあったプログラムをかなりいじりました。だいぶプログラム作りには参考にさせてもらっています。お役立ち情報満載な本だと本当に思いました。で、その合宿の効果が、少しずつ出てきている感じです。何はともあれ、少なくとも合宿参加者の意識はかなり変わったようです。まだ、まわりには拡がりきっていませんが、少しずつ拡がり始めているのが感じ取れるようになりました。こうも、うまくいくとは思っていないので、なんかとても得した気分です。また、ファシリテータをやってみたいと思うようになりました。
ということで、自分の人生の岐路に関わることになったかもしれない本を紹介させていただきました。

バトンタッチ

では、お次は似非原さん(id:nisemono_san)です。「はてなダイアリーの一冊百選」の執筆希望者リストからから、独断と偏見で「なるべく遠い人」を選んでみました。よろしくお願いしますね。

*1:まぁ、自分も会員なのですけどね