リズムについて

アジャイル界隈の人たちが「リズム重要」というが、これはどういうことなのかもう一度考えてみた。きっかけは、http://d.hatena.ne.jp/yach/20060927 これ。
平鍋さんや、KKDさんが提唱しているプロジェクトファシリテーションという考えがある(http://www.objectclub.jp/community/pf/)。この中の原則にもリズムというのがあるが、いまいちその言わんとしていることがよく分からない。ハートビートだ、止まれば死んでしまうというのも、確かに分かるが、それだけではないように思える。プロジェクトの中には、いくつものリズムが存在していて、それらが複合されているのではないだろうか。つまり、根幹となるようなリズムはハートビートとして考えるのは当然だが、その他のリズムは何のためにあるのだろうか。人間でたとえると、呼吸のリズム、まばたきのリズム、歩くリズムに相当するものがあるのではないだろうか。
人間に備わっているリズムからは離れて、一つ一つのリズムについて考えてみることにした。そこで一つ考え付いたのが、安全、安心のためにリズムが必要、というものだ。異常検知機能と言い換えても良いかもしれない。ハートビートと比べると、貧相な感じがするが、まぁ気にしないことにしよう。
ここでは、リズムとは、1定周期で発生するイベントと定義する。一定周期で発生する事が前提だ。そこで、発生すべきタイミングでそのイベントが発生しないとどうなるだろうか。リズムが崩れるのである。これは、異常状態である。つまり、正しくリズムが刻めているということは、正常な状態。安心、安全なであることを示しているのである。ソフトウェア開発は見えないと言われるが、その見えないものに格闘している中で、いかに安心、安全な状態であるかを知るには、このリズムを正しく刻むことで代替できるのではないだろうか。そのために、リズムが重要だと考えてみた。

また、一方で強制力ととらえることもできそうな気がしている。
行進曲をイメージしてみればわかるが、その曲が流れているからこそ、みんなの足並みがそろうのである。そして、テンポが速くなるとどうだろうか。きっと、そのテンポに合わせて行進するだろう。極端なテンポでない限り、そのテンポから外れて行進するほうが難しい気がする。歩くときには歩くときようの、走るときには走るときようの行進曲を使い分けるのが一般的だ。
ここまで書いてきて、ふと思った。
ビルで火事が起こり、非常階段に人が殺到した場面をイメージしてみた。相当に混乱するだろう。ここで、音楽が流れ、そのリズムに合わせて避難すると、その混乱が少しはスムーズになり、スループットが改善される気がする。混乱しているときほど、リズムが重要なのかもしれない。
TOCのドラム、バッファー、ロープにつながった感じである。